国際取引において、最終的な契約を締結する前の過程で、当事者のうち誰がファーストドラフティングを行うかは非常に大きな意味をもってきます。主導権を握りたいとお考えであれば、積極的にファーストドラフティングを行い、このドラフトをベースにして取引契約交渉を優位に展開すべきです。ただし、ライセンス契約でのライセンシー(ライセンスを受ける立場)、ディストリビューターシップ契約(販売店契約)での販売店のように権利を受ける立場の場合には、ファーストドラフティングをすることはほとんどありません。当事者間の力関係も影響してきます。
お客様と弁護士の間でディスカッションを行い、ビジネスの内容・お客様の御要望を理解して法的な問題点を考慮した上で、英文契約書のファーストドラフトを作成します。
取引の相手方から英文契約書のドラフトが提示された場合に、そのドラフトについて、問題点を指摘します。このような問題点には、ビジネスの問題点と法的な問題点があります。例えば、販売店契約のドラフトの場合に、販売店に対して年間の最低購入量をどれくらいにするのかは、ビジネスの問題であるのに対して、販売店の最低購入義務を努力義務あるいは法的義務にするのか、法的義務の場合に最低購入義務に違反した場合には解除権が発生するのか等が法的な問題点です。
お客様の御要望に応じて、各問題点毎にコメントを作成します。特に重要な法的な問題点については、意見書を作成します。
取引の相手方から提示された英文契約書のレビューを行った後で、指摘した問題点について、お客様とディスカッションを行い、取引の相手方に提示するためのカウンタードラフトの作成を行います。カウンタードラフトの作成および取引の相手方への提示は、お客様にとって有利な条件で、相手方との間で契約の締結に至るためのものです。
カウンタードラフトの作成にあたっては、お客様とのディスカッションを通じて、取引の相手方が提示する各条項の意図は何か、契約書の条項の中で優先事項は何か、各条項についてどのような内容であれば合理的に妥結できそうか等の取引契約交渉の点も考慮します。
取引の相手方との間で、ドラフトの応酬を行い、契約締結に至るべくサポートします。
海外の取引先が複数にわたり取引の内容が同じ類型の場合(例えば、海外の取引先から継続的に製品・商品を購入する場合の取引基本契約)には、英文契約書のフォームを作成しておくと便利です。
お客様の取引状況を理解して、フォームの作成をサポートします。
英文契約書の作成過程の中で、取引の相手方からの英文契約書ドラフトを弁護士が和訳すると、その和訳をベースにして、問題点についてお客様との共通の理解によりレビュー及びディスカッションを行います。お客様のカウンタードラフティングを行う業務等の次のステップと連携を持たせて効率良く業務を行うことができます。これによって、業務を迅速に行うことができ、効率がよくなります。
このような場合には、法的な用語を的確に英訳しますので、信用性の高い英文の文書になります。御希望に応じて弁護士が正訳をした旨の認証(affidavit)文言と署名をいれることにより、信用性がさらに高まります。
このような場合には、英訳した契約書が正本として当事者間に法的な拘束力を及ぼすことになります。従いまして、そもそも、日本語の契約書の内容自体が英文契約書として機能するかどうか(例えば、海外の会社が契約当事者の場合には、日本の取引先で使用した日本語の契約書の単なる直訳の英文契約書では、商慣習も異なりますし、準拠法等の問題もありますので、機能しません)を検討した上で、必要に応じて契約書の内容自体を改訂し、英文契約書を作成することになります。純然たる英訳ではなく、英文契約書の作成業務に近い内容になります。