ここでは、会社訴訟とは、会社間での取引等に関して発生した訴訟等、会社の機関・株主等に関する訴訟等のことをいいます。
会社間の取引等において紛争が発生した場合には、従来は会社間での話し合いにより解決が図られてきましたが、最近では、簡単に話し合いによる解決で決着がつかなくなる傾向にあり、会社間での取引等に関して発生する訴訟等に適正に対応する必要があります。
会社の機関・株主等に関する訴訟等には、株主からの会計帳簿閲覧謄写請求・株主代表訴訟等、取締役からの退職慰労金請求訴訟、会社からの取締役に対する責任追及訴訟(取締役の利益相反取引に係る損害賠償請求、競業避止義務違反・経営判断に係る善管注意義務違反・監視義務違反等の任務懈怠に係る損害賠償請求等)、会社内紛等に帰因した取締役職務執行停止・職務代行者選任仮処分等があります。
例えば、当該取締役が瑕疵のある決議で選任された場合に、取締役選任決議取消しの訴えを本案訴訟として裁判所に提起しますが、その審理には時間がかかり、その訴訟が確定するまでは、当該取締役は取締役の職務を行えることになり、当該取締役が職務を継続することが会社に著しい損害を与えるときには、暫定的に当該取締役の職務の執行を停止し、取締役の職務を代行する職務代行者を選任してもらう裁判所の仮処分の手続きのことです。この仮処分は、満足的な結果を伴うものであり、仮の地位を定める仮処分(民事保全法23条2項)に位置づけられます。